フィリピンは、7500を超える島々が連なるサーファーの楽園。ショート、ロング、アライア。どんなボードでも、それぞれの波乗りが楽しめる。
2018年、WSL参戦をきっかけにその魅力に心を奪われて以来、毎年のように通い続けてきたシャルガオ島。年々、人気スポットとして開拓され、観光業が盛んになるなか、この島の名を世界に知らしめたクラウド9のピークは、今や大混雑となっている。当時は数人の地元サーファーだけだった海に、成長した子どもたちが次々と加わり、サーフツーリズムはみるみる盛り上がりを見せている。
そして今年も、シャルガオ島へ戻った。
到着した初日、台風の影響で大きなうねりが島に押し寄せていた。前日まで「Fiesta」と呼ばれる祭りが開かれ、疲れた地元の人々は海に姿を見せない。地元のプロサーファーたちも、大会のために島を離れていた。
誰もいないクラウド9。
うねりの向きは難しい。それでも、その中にはスペシャルな波が潜んでいた。サイズは6〜8フィート、水面もきれいにまとまっている。無人のピークへパドルアウト。2018年から通い続けて初めて、シーズン中のクラウド9を独り占めできる瞬間が訪れた。ときおり押し寄せるセットは、割られればどうなるか分からない。その気配を見極めながら、深いチューブを狙い、ピークの奥からテイクオフする。
そして、たった1本。自分のなかで心から納得できる波に出会えた。
それは、これからのサーフ人生でも記憶に残し続けたい、かけがえのない時間となった。
石川拳大
最新動画 『Empty Clound9 – Raw Clip』